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全てがゼロになる

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うつ病を知るー主な症状と診断基準を記載

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厚生労働省に「うつ病」に関する記載です。まずは敵か味方かはわかりませんが、「知る」事は必要です。

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。

薬による治療とあわせて、認知行動療法も、うつ病に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談すること、そしてゆっくり休養をとることが大切です。

うつ病のタイプもいろいろあります。そこまで確認するのがお医者さんの仕事です。

「憂うつな気分」や「気持ちが重い」といった抑うつ状態がほぼ一日中あってそれが長い期間続く、というのはうつ病の代表的な症状です。

こうした症状が見られた場合、うつ病と診断されることが多いのですが、本当は、これだけで診断がついたことにはなりません。

うつ病と呼ばれるタイプのうつ病には一定の診断基準があり、参考になります。他に性格や環境、あるいはほかの病気やこれまで服用していた薬が関係していることもあります。

また、これまでに躁状態や軽躁状態を経験したことがある場合はうつ病でなく双極性障害躁うつ病)であると考えられますのでそういう経験がなかったかの確認も必要です。

統合失調症などほかの精神疾患が背景にあって、抑うつ状態はその症状のひとつであった、という場合もあります。このような症状を万が一うつ病と診断されたら、本当の疾患が見逃されせっかくの早期発見・早期治療のチャンスをのがしてしまうことになってしまいます。

正しいうつ病の診断は、うつ病のどのタイプなのか、ほかの精神疾患である可能性はないか、などを確認することまで含まれるのです。

治療方法もいろいろです。

うつ病の治療法は、一人ひとり違います。

典型的なうつ病ならば薬物療法の効果が期待できます。性格や環境の影響が強い場合は精神療法的アプローチや時には環境の整備が必要になります。ほかの病気や薬が原因の場合は病気の治療や薬を変えることを考えなくてはなりません。休職についても、休養が必要な場合とむしろ仕事を続けた方がいい場合もあってこの点でも方針はひとつではありません。

うつ病とひとくくりに考えて治療をうけるのではなく、うつ病にはいろいろあって、治療法もひとつではないことを知っておくことが大切です。自分のうつ病と、ほかの人のうつ病は違うものであり、治療法も一人ひとり違っていて当たり前なのです。

うつの症状のまとめです。

1) 自分で感じる症状

憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、

イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、

細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、

物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない

2) 周囲から見てわかる症状

表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える

3) 体に出る症状

食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、

動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く

(宮岡等:内科医のための精神症状の見方と対応、医学書院、1995を改変)

代表的な診断基準

うつ病エピソードの診断基準(DSM-IV

以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分または(2)興味または喜びの喪失である。

注:明らかに、一般身体疾患、または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まない。

その人自身の言明(例:悲しみまたは、空虚感を感じる)か、他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。

注:小児や青年ではいらだたしい気分もありうる。

ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退(その人の言明、または他者の観察によって示される)。

食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例:1カ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。

注:小児の場合、期待される体重増加がみられないことも考慮せよ。

ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。

ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚でないもの)。

ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。

ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある。単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。

思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の言明による、または、他者によって観察される)。

死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。

・患者さんへのアドバイス

うつ病といっても、どのタイプのうつ病かによって本人の気持ちの持ち方や家族の方の対応は大きく異なってきます。

何より大事なのは、信頼できる主治医をもつことです。自分に合ったアドバイスを主治医にもらうことが最も重要です。

そして、どんなタイプのうつ状態であっても、時間がかかっても気分がよい方向に向かう日は必ずあるはずですから、絶対に自殺は考えないでください。

うつ病といわれたすべての方の治療にあてはまるようなアドバイスをすることは難しいですが、たとえば典型的なうつ病で、なかなか寝付けず、一方、朝早く目が覚めてしまい、さらには朝の気分がとても悪い方にとっては、「早寝早起きの規則正しい生活をこころがけましょう」というアドバイスさえ、かえって苦しめたり、追い込んだりする言葉になりかねません。うつ病の時は「薬をのんで、休養をとる」のがよいようにいわれますが、これがあてはまるのも一部のうつ病と考えたほうがよいでしょう。

改めて読み直してみると知らないこと知っているつもりになっていること。

自分を重ねて読むのではなく、隣人がうつだったらと思って一歩離れて読んで見ると「そうなんだ」と思える。

そんな距離感で読んでみてはいかがだろうか。